映画評『ベクシル -2077日本鎖国-』
斬新な映像で話題を集めた『ピンポン』の曽利文彦監督の最新作。曽利監督が3Dフルアニメーションを手がけるのは、プロデューサーとして参加した、2004年の『APPLESEED』以来。今回は自ら監督として、最先端の映像技術を駆使し、全世界に殴り込みをかける。
まず、設定自体は面白い。古くは江戸時代の「鎖国」という概念を近未来の日本に持ってくるというのは、なかなか面白い発想である。しかも、ハイテク技術を駆使しての「鎖国」というから、これぞ近未来の「鎖国」という形だ。
そしてその最新の映像技術を十二分に発揮したアクションシーンは迫力満点。このシーンだけでもついつい見入ってしまい、彼らの行く末を固唾を飲んで見守ってしまう。国内外から集めた実力派アーティストのバックミュージックも魅力的。映像にうまくハマっている。
しかし、技術レベルは高いのだが、ストーリーがそこまで追いついていないのが残念。ストーリー展開や登場人物の行動に腑に落ちないところもあり、オチもなんとなく釈然としない。ストーリー面では、『APPLESEED』のほうが一枚上手だったような気がする。(というか、若干『APPLESEED』と似た展開もあった気が・・・。)
ストーリー面をもう少し強化すれば、かなり面白くなったと思うのだが・・・。
<あらすじ>
21世紀初頭、世界市場を独占した日本のハイテク技術は危険視され、国際規制の対象となった。 これに猛反発した日本は国連を脱退し、鎖国を強行。それから10年間、ハイテクを駆使した完全なる鎖国により日本の実像は厚いベールに隠された。 2077年、日本に潜入した特殊部隊の女性兵士ベクシルは、異様な光景を目撃する。(Yahoo!ムービーより)
<スタッフ>
監督:曽利文彦(『ピンポン』)
脚本:半田はるか(『APPLESEED』)、曽利文彦
音楽:ポール・オークンフォールド(『ソードフィッシュ』)
エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉(『日本沈没(2006年版)』)
制作:OXYBOT
<キャスト>
ベクシル:黒木メイサ(『大帝の剣』『ただ、君を愛してる』)
レオン:谷原章介(『亡国のイージス』『西遊記』)
マリア:松雪泰子(『フラガール』『子宮の記憶/ここにあなたがいる』)
サイトウ:大塚明夫(『イノセンス』『ハウルの動く城』)
タカシ:朴

リョウ:櫻井孝宏(『劇場版 金色のガッシュベル!! 101番目の魔物』)
キサラギ:森川智之(『劇場版 アクエリオン』)
タロウ:柿原徹也(『劇場版 NARUTO-ナルト- 疾風伝』)
<関連作品>
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