文化庁メディア芸術祭、『Wii Sports』『河童のクゥと夏休み』などが大賞に
『Wii Sports』は任天堂の最新ゲーム機「Wii」のゲームソフトで、リモコンによる体感操作でスポーツを楽しめるのが特徴で、発売から約2ヶ月で国内セールス100万本を突破した人気作。『河童のクゥと夏休み』は、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』で話題を集めた原恵一監督の5年ぶりの最新作で、現代に蘇った河童と少年のひと夏の出来事を描いた感動作。人間の優しさや醜さの多面性を見事に描き出した点が評価された。原恵一監督は、前作の『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』に続き2度目の大賞受賞で、2度の大賞受賞は宮崎駿監督以来2人目。『モリのアサガオ』は、ドラマ化もされた『きらきらひかる』で知られる郷田マモラさんの作品で、新人刑務官と死刑囚たちの姿を通して、死刑制度という重いテーマに真正面から向き合った力作。『Nijuman no borei(20万の亡霊)』は、フランスのクリエーター、ジャン・ガブリエル・ペリオさんの作品で、広島の原爆ドームの歴史を1000枚以上の写真で次々に映し出し、「核廃絶」を訴えかけるドキュメンタリー映像。
今回の受賞作品について、審査委員の水口哲也さん(ゲームクリエーター)は、「メッセージ性の強い作品と革新性を持っている作品が選ばれた」とコメント。受賞者を代表して、受賞発表会に登場した『河童のクゥ』の原恵一監督は「20年間あたため続けて来たこの作品で、このような賞をいただくことが出来て本当にうれしい。」と受賞の喜びを語った。
このほか、アニメーション部門の優秀賞に『電脳コイル』『カフカ 田舎医者』などが選ばれたほか、功労賞にはアニメ脚本家の辻真先さんが受賞した。
【アニメーション部門】
大 賞:河童のクゥと夏休み(原恵一)
優秀賞:電脳コイル(磯光雄)
優秀賞:うっかりペネロペ(高木淳(監督))
優秀賞:天元突破グレンラガン(今石洋之(監督))
優秀賞:カフカ 田舎医者(山村浩二)
奨励賞:ウシニチ(一瀬皓コ)
【マンガ部門】
大 賞:モリのアサガオ(郷田マモラ)
優秀賞:海街diary(吉田秋生)
優秀賞:竹光侍(松本大洋/永福一成(作))
優秀賞:プライド(一条ゆかり)
優秀賞:鈴木先生(武富健治)
奨励賞:天顕祭(白井弓子)
【アート部門】
大 賞:nijuman no borei(Jean-Gabriel PERIOT)
優秀賞:ビュー・ビュー・View(blue elephant)
優秀賞:Se Mi Sei Vicino(If you are close to me) (Sonia CILLARI)
優秀賞:Camera Lucida: Sonochemical Observator(Evelina DOMNITCH /Dmitry GELFAND)
優秀賞:ISSEY MIYAKE A-POC INSIDE. (佐藤雅彦+ユーフラテス)
奨励賞:Super Smile(Effie WU)
【エンターテイメント部門】
大 賞:Wii Sports(「Wii Sports」開発チーム代表太田敬三)
優秀賞:MONSTER HUNTER PORTABLE 2nd(「モンスターハンターポータブル 2nd」開発チーム代表辻本良三)
優秀賞:METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS(小島秀夫(KONAMI))
優秀賞:気づいていますか。(田中英生)
優秀賞:DAYDREAM(勅使河原一雅)
奨励賞:匂いをかがれるかぐや姫 ~日本昔話Remix~(原倫太郎+原游)
<参照記事>
「メディア芸術祭:「Wiiスポーツ」「河童とクゥ…」が大賞 マンガは死刑制度、アートは原爆テーマ」(まんたんウェブ)
「平成19年度(第11回)文化庁メディア芸術祭 受賞作品」(文化庁メディア芸術プラザ)
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