ドラえもん映画最新作、脚本に真保裕一氏
真保裕一氏は、1991年にデビュー作『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。95年には、『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞を受賞。サスペンス・推理・ハードボイルドなど、手がけるジャンルは多岐にわたり、『ホワイトアウト』は、2000年に織田裕二主演で実写映画化されるなど、実力派作家として、人気を集めている。
その真保裕一氏は、作家デビュー前はアニメーターとして、『ドラえもん』を制作しているシンエイ動画に所属。藤子不二雄A原作のアニメ『笑ゥせぇるすまん』の演出を務めた。乱歩賞の受賞後にシンエイ動画を退社したが、現在も同社の草野球に参加するなど、関係者との交流は続いていたという。真保氏は、アニメーターになる以前から「ドラえもん」の熱烈なファンであり、シンエイ動画の入社の経緯も、同社の採用試験で落ちたのちに、いくつかの制作会社を経てようやく同社に潜り込んだというから、その熱心さが伺える。
今回の映画は、「のび太の魔界大冒険」を原作としており、1984年に映画公開されている。実質リメイクという形になるが、原作にはない現実世界と魔界世界のリンクが描かれるなど真保氏独自の脚色が加えられており、旧作とは異なる独自性を持った作品になりそうだ。真保氏は「今は小説なんぞ書いている身だが、こうして夢のひとつがかない、誰より興奮している自分がいる」と喜んでいる。
人気小説家が脚本を務めたアニメ映画といえば、最近では2002年に、こちらも江戸川乱歩賞作家の野沢尚氏(故人)が脚本を務めた、『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』が記憶に新しい。
シャーロック・ホームズvsジャック・ザ・リッパーというテーマを真正面に描いたこの作品は好評を呼び、コナン映画シリーズの最高ヒットを叩き出した。『新魔界大冒険』も、ドラえもん映画シリーズの最高ヒットを叩き出すかどうか。内容、興行面の両方で注目が集まりそうだ。
また、今作の監督には、ドラえもん映画史上初めての女性監督として、寺本幸代監督(30)が就任。寺本監督はベガエンタテイメントの所属で、ドラえもんのテレビシリーズの演出ほか、OVA『僕は妹に恋をする』の監督を務めた。弱冠30歳という若さでの長編映画監督は、異例の起用といえる。
寺本監督は、84年の『魔界大冒険』をリアルタイムで見た、生粋のドラえもん世代であり、「『魔界大冒険』は、映画ドラえもんの中で特に好きな作品です。特に美夜子というキャラクターの内面を、深く描けたら、と思います。」と意気込んでいる。
参照記事:「「ドラえもん」に真保マジック…人気作家が「新魔界大冒険」脚本」(スポーツ報知)
ドラえもんチャンネル
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