映画評『サマータイムマシン・ブルース』
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『踊る大捜査線』シリーズで知られる本広克行監督が、劇団ヨーロッパ企画の戯曲を映画化したSFコメディ。「タイムマシン」が登場するからには、舞台は遥か昔か未来・・・と思いきや、行き先は昨日というスケールの小さいもの。だが、面白さは十分に保証済みの映画だ。
「過去」を変えることで「今」を変えるという『バブルへGO!』などとは違い、こっちは「過去」を変えようとすることで、逆に「今」がなくなってしまうという危機を描いている。そこから歴史を変えさせないように彼らは奮闘するのだが、その行動が結果的につじつまが合い、ひいては時の壮大さを伺わせるものになっている。前半の登場人物の不可解な行動なども最後まで見ればよくわかる。あのエアコンのリモコンがあれだけの時を経てきたということも納得がいく。まさしく「時をかけるリモコン」だ(笑)
結果を見れば、この作品でのタイムトラベルの描き方は、「時間」はそう簡単に変えられるものではない、不可避な力を持った存在だということである。そんな力に抗おうと思ったのか、主役の甲本拓馬の最後でメンバーにある問いかけをする。
「過去」よりも変えたいもの、それは…。それはそれで、かなり困難かも。
<あらすじ>
とある大学のSF研究会の部室には、前日にクーラーのリモコンが壊れ、猛暑に悩む部員たちがいた。ところが彼らは部屋の隅にタイムマシンがあることを発見、「昨日に戻ってリモコンを取ってこよう」ということになり、乗り込んでみるが……。(シネマトゥデイより)
<スタッフ>
プロデュース・監督:本広克行(『交渉人 真下正義』『UDON』)
原作・脚本:上田誠
プロデューサー:安藤親広(『LIMIT OF LOVE 海猿』『ALWAYS 三丁目の夕日』)
主題歌:Tommy heavenly6「LCDD」
<キャスト>
甲本拓馬:瑛太(『銀色のシーズン』『どろろ』)
柴田春華:上野樹里(『スウィングガールズ』『笑う大天使』)
新美優:与座嘉秋(『雨あがる』『69 Sixty Nine』)
小泉俊介:川岡大次郎(『OPEN HOUSE』『UDON』)
石松大悟:ムロツヨシ(『交渉人 真下正義』)
曽我淳:永野宗典(『UDON』『交渉人 真下正義』)
田村明:本多力(『交渉人 真下正義』)
伊藤唯:真木よう子(『THE JUON/呪怨』『ゆれる』)
保積光太郎:佐々木蔵之介(『県庁の星』『間宮兄弟』)
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